此処は地獄の一丁目♪
Foodie のんびり更新中!
さて、Foodieというからには食に関する頁(ぺえじ)ということになりますが、当サイトは例えこの「Bar 泥舟」が架空のお店であっても、お酒が主役(一番の主役はお客様ひとりひとりではありますが)だと思いますので、初めに綴るエピソードはこちら。
尚、こちらの写真は、店主が自宅にて気まぐれで「小手先だけで作った見掛け倒しの中身はぺらんぺらんな」お料理を写真におさめるというわずかひと月かそこらで飽きてしまったお遊戯の数々。
まるで「おままごと」でしたね。
お腹いっぱいになるようなメニューの写真は、また少しずつアップさせて下さいませ。
今宵、このお話がエッセンスの一滴として、あなた様が味わう甘美な酒(ネクター)となりますように・・・。
episode 1
さて、こういった雑誌がある。
『月刊 たる』・・・今は『TARU』なんですかね?
元々は関西在住の高山さんという仙人みたいなひげをたくわえた編集長さんが、作ったものだ。
現在はWEBサイトでもいろんなお店やお酒にまつわる情報を掲載しているようだ。
皆さんは『樽』から連想するのは何でしょうか?
小生は『ウイスキー』である。
元々お酒の味なんかわからないし、現在も本当にわかっているのかはわからない。
こればっかりは『好きか嫌いか』しかないのである。
『口に合うかどうか』でしょうな。
小生の手元に『WHISKY BOOK』というものがある。
ずいぶん昔の話になるが、お正月明けの電通さんのパーティーをひょんなことからお手伝いするということが続いた。
そこでサントリーのこの本を知った。
サントリーさんに戴いた非売品だと思う。
この本では『飲み手、つくり手、そして自由とはともに手を携えて進む』と詩人Rバーンズの謳った言葉に2語加えて言っておられる。
さて、その内容とはいかに・・・。
例えば飲み手・・・『ウイスキー辞典』の章では、
(こ〜さ)[最後の一滴] 〜ボトルが空になっても、酒徒はあきらめない。ボトルをひっくり返して最後の一滴までグラスに満たし、ウイスキーに敬意を表する。しかし、一滴であきらめているようでは、年季が足りない。粘れば、実は最後の一滴の後になんと24滴も出てくる。お試しあれ。・・・とある。
福西栄三さんという方の『名作とウイスキー』という章では、ウイスキーが登場する映画や小説のお話がなかなか面白い。
ここでその素敵なエピソードがあるいくつかの映画や小説のご紹介をしてみたい。(この本から引用している)
映画がお好きな方なら「ああ、ここがウイスキーが出てくるシーンか。」とアナタのお好きな感じ方をし、味わって下さい。
★ ルイ・マルの『恋人たち』、ジャン・ルノアールの『大いなる幻影』、ビリー・ワイルダーの『お熱いのがお好き』は禁酒法時代のアメリカのシカゴのもぐり酒場のお話。伊達男がジャックダニエルをオーデコロンがわりに首筋につける。なぜそんなことをしたのか?こちらは映画を観てのお楽しみである。
★ 『男はつらいよ』の第1作目、黒澤明の『生きる』では角瓶を。小津安二郎『秋刀魚の味』では笠智衆がトリスバーに足を運ぶ。
★ 小説ではディック・フランシス『証拠』ではアイラのラフロイグが作品のプロットを構築する重要な小道具として登場。
etc・・・もう書ききれないのでこのへんで。
そしてサントリーのウイスキーが描かれている絵画もあるのだ。
棟方志功、ベルナール・ビュッフェなど。
この本には『乾杯前の5分で完成』という簡単クッキングなどもあり、ちゃんとしたカラーのお料理のレシピあり、他にもウイスキー情報満載の本当にいたれりつくせりの本なのだ。
かつて、サントリーの創業者・鳥井信治郎氏は、貯蔵庫に眠る樽のウイスキーを「お客様からのお預かりもの」といいました。
またウイスキーづくりは自然にやっていることであって、「我々はお取次ぎをしているに過ぎない」とも。
「時、人、自然が響きあう」というフレーズはこんなところから生まれたのかもしれませんよね。
小生、サントリーさんのマワシモノでもなんでもないのですが、かつてこの企業にはとてもお世話になりました。
そして実はこの本・・・戴いたものの、一度も目を通したことがなかったのです。
11年も。(2017年に備忘録として綴ったものです。)
ひどいでしょ・・・戴いておきながら。
毎日毎日本を読み、引っ越してからあまり図書館に行っていないので、読む本がなくなってきて・・・というのが本当のところです。
今、この時をして、手にとってみたくなったこの本。
小生に気づかせてくれたこと、たくさんありました。
決して薀蓄ということではありません。
たるの創刊者は、30周年記念の席でこう言っておられました。
「樽(たる)は『足ることを知る』という意味もある。」と。